1. 超高速光ファイバ伝送のシミュレーションによる検討
現在商用化されている光ファイバ通信の最大速度は毎秒数十ギガビット(1秒間に10億ビット、1秒でCDおよそ2枚分のデータを送ることができる)ですが、近年のブロードバンドの急速な普及によって、より速い伝送速度が求められています。しかし、ファイバの性能のために、伝送速度には限りがあります。
本研究室では、現在の10倍以上の速度を持つ光ファイバ通信を実現するためには、どのようなことが必要かを、コンピュータシミュレーションによって調べています。
2. ファイバレーザのパルス発振の安定化
光ファイバでレーザの共振器を構成したレーザのことをファイバレーザといいます。鏡を用いたレーザに比べ、コンパクトで衝撃にも強いため、安定な高出力パルスレーザとして実用化されています。しかし、光ファイバ通信用の光源としては、パルスの繰り返し周波数を高くする必要があること、その実現のために必要な高調波モード同期という手法は、原理的に安定化しにくいことが知られています。本研究室では、高調波モード同期によるパルス発振ファイバレーザの簡便かつ長期的な安定化を目指した研究を行なっています。
3. 準ミリ波~ミリ波帯光ファイバ無線(RoF)の研究
光ファイバ無線とは、携帯電話などで使われる無線信号で光を変調し、その光をファイバを通して遠方に伝え、再度電気信号に直して無線にする技術で、携帯電話やテレビの不感地帯対策の技術として確立されています。本研究では、将来に要求される高速通信を行うために検討されている、準ミリ~ミリ波帯搬送波無線サービスへの光ファイバ無線の適用を想定し、ファイバ伝送によるペナルティを数値シミュレーションと実験により検討しています。
4. 高速光アクセスネットワーク(PON)における下流再変調の研究
5. 2次光学非線形効果による光の量子状態制御
6. 光干渉断層撮影(OCT)の性能向上に関する研究
光干渉断層撮影(OCT)とは、光を眼球や皮膚などの生体に照射し、その反射光を周波数解析することで生体の断層像を得る画像診断技術です。X線CTやMRIに比べ分解能や非侵襲性が優れているという特徴があります。本研究では、OCTの性能向上に向けて、光源のパワーや波長の時間特性が診断精度に与える影響について数値シミュレーションを用いて調査しています。